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裁量労働制は労働基準法が定めるみなし労働時間制の一つとして位置づけられて来た。この制度が適用されると、実際の労働時間とは関係なく、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなされる。現在はみなし労働時間制の一つであるので、労働時間の概念は、一応は残されている。このため、法は、使用者に、定められた労働時間の超過分について残業代の支払いを義務付けている。深夜および法定休日の労働についても割増が義務付けられている。

しかし、時間配分が労働者の裁量に委ねられているにも拘わらず、納期やノルマ達成圧力などによって法の定めに拘わらず、労働者に時間管理の裁量権がないケースが続発している。裁量労働制でサービス残業が横行しているのが実態である。

裁量労働制には、「専門業務型」と「企画業務型」がある。「専門業務型」の主な職種は以下の通りである。

  1. 新商品もしくは新技術の研究開発、研究の業務
  2. 情報処理システムの分析又は設計の業務
  3. 新聞、出版、ラジオ、テレビの番組の制作のための取材もしくは編集の業務
  4. 衣服、室内装飾、工業製品、広告等のデザイン
  5. 放送番組、映画等のプロデュサー、ディレクター
  6. 広告、宣伝等の文章の考案の業務
  7. システムコンサルタントの業務
  8. インテリアコーディネーターの業務
  9. ゲーム用ソフトの創作の業務
  10. 証券アナリストの業務
  11. 金融商品開発の業務
  12. 大学における教授研究の業務
  13. 公認会計士、弁護士、建築士、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士
  14. 派遣労働と同様、当初は極めて専門的な職種に限定されていたが、現在では適用範囲が広がっている。「小さく生んで大きく育てる」がここでも。

労働政策審議会の2015年5月13日の「今後の労働時間法制の在り方」(建議)の狙いは「企画業務型裁量労働」のさらなる拡大である。次回のブログ(4)から、その実態を精査しよう。(続く)