Pocket

労働政策審議会建議(報告)は、企画業務型裁量労働制の対象業務範囲を拡大し、手続きを簡素化しすることにより長時間労働を助長するものである。以下、日本労働弁護団の意見書に基づき「報告」の内容をチェックして行こう。

労働政策審議会の分科会に提出された資料では、企画型裁量労働制の適用を受ける労働者で最も多い不満は「労働時間が長い」「業務が過大」である。企画型裁量労働制の対象業務は、現行法上、「事業の運営に関する企画・立案・調査・分析の業務」であるが「報告」は、①「法人顧客の事業の運営に関する事項についての企画調査分析と一体的に行う商品やサービスの内容に係る課題解決型提案営業の業務」②「事業の運営に関する事項の実施の管理と、その実施状況の検証結果に基づく事業の運営に関する事項の企画立案調査分析を一体的に行う業務」を加えて裁量労働制の範囲の拡大を提言している。

いずれも抽象的な規程であることに注意が必要だろう。この規程については厚生労働省がリーフレットを作成するなどして、具体性を付与するのであろうが、それを都合よく解釈する企業や業務のリーダーが続出するであろう。裁量労働制が長時間残業の温床になっている現実を見れば

この「報告」は、それをさらに拡大しようとする建議に他ならない。企業やリーダーの都合の良い解釈に対して異議申し立ての出来る企業内労働組合は少ないのが実情だ。

個別営業業務に適用される危険は大きい。①の「法人顧客の事業の運営に関する事項についての企画調査分析と一体的に行う商品やサービスの内容に係る課題解決型提案営業の業務」は、企業の経営中枢における企画・立案・調査・分析業務から離れ、これまで対象外であった個別の営業活動を行う労働者にまで裁量労働制の適用範囲を広げようとするものだ。「企画調査分析と一体的に行う」「課題解決型提案営業の業務」といった定義はあいまいで拡大解釈の余地が大きい。「顧客のニーズ・課題・抱えている問題を想定していく」営業スタイルはあなたが新入社員教育で叩き込まれたものと同じではないか。(続く)