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労働政策審議会建議(報告)が、企画業務型裁量労働制の対象業務範囲を拡大しようとしている2番目のポイントは、「事業の運営に関する事項の実施の管理と、その実施状況の検証結果に基づく事業の運営に関する事項の企画立案調査分析を一体的に行う業務」である。

現場で管理業務を行う労働者がすべて対象とされる危険が大きい。

現在の裁量労働制の定義は「事業の運営に関する企画・立案・調査・分析の業務」であるが、「事業の運営に関する『事項の実施の管理』と、その実施状況の検証結果に基づく・・・・」

を付け加えることによって、企業の中枢における企画・立案・調査・分析業務そのものを離れ

『実施の管理』を担う労働者を裁量労働制に組み込もうとしている。企業において、企画・立案・調査・分析業務を行うのは、企業の中枢の労働者であったが、「事業の運営」「実施の管理」を含むことになれば、係単位で企画やプロジェクトを行う場合のプロジェクトリーダーは勿論、現場で管理業務を行う労働者に広く対象が及び、広範な一般業務がその範囲に含まれることになりかねない。

 

「事業の運営」「実施の管理」の定義は明らかではない。誰が「事業の運営」の範囲を定めるのか。誰が「実施の管理」の範囲を定めるのか、厚生労働省は「事業の運営」や「実施の管理」についてのリーフレット等を作成するであろうが、それを現場に当てはめて具体化するのは、企業である。

 

あなたが、会社が実施しようとする「事業の運営」「実施の管理」について労働条件の不利益変更であると思っていても、どうやって会社の誤りを正すのか。労働基準法は8時間労働制という労働者の基本的権利を守るために、使用者に労働時間の管理を義務付けているのである。時間は誰の目にも明らかな基準だが、「事業の運営」「実施の管理」の基準は曖昧である。異議申し立てを貫くためには司法の場で解決を図ることになるが、その解決には長い時間が必要となろう。(続く)