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法律案要綱の精査を続けます。

第二 じん肺法の一部改正

1 労働者の心身の状態に関する情報の取り扱い

  1. 法律案要綱は、「事業者は労働者の心身の状態に関する情報を収集し、保管し」「使用しなければならないものとする」としてじん肺健康診断等の資料を収集、保管することを義務付けているが、「本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでないものとする。」と抜け道も用意している。
  2. 法律案要綱は、「事業者は労働者の心身の状態に関する情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならないものとすること。」としているが、ウィキペデイアによれば「ヒトの呼吸器には、粉塵などの異物を排除する機能が備わっており、比較的大きな粉塵は鼻で、細かな粉塵は気管や気管支のせん毛で排除される。しかし、大きさがおよそ1~5μmの粉塵は排除されずに気管・気管支に沈着し、1μm以下の粉塵は肺胞に到達する。肺胞に到達した粉塵も多くは呼気とともに体外へ出されるが一部は排出されず残るため、粉塵の濃度の高い空気を吸入しつづけると肺胞に粉塵がたまってゆく。このような生活が長期間続くと、」肺線維症 、気腫性変化 、気管支の炎症等の症状が出ることがある。「初期は自覚症状がないため、気づかない間に進行し、やがて咳、痰、息切れがおこる。さらに進行すると呼吸困難、動悸を起こす。また、塵肺になると肺結核などの病気を合併しやすくなる。」がどのような作業にどの位の期間従事したかの記録や健康診断の記録は労災認定に必要な資料である。
  3. 法律案要綱は、厚生労働大臣に事業者の講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする、としているが、措置の中身は法ではなく、指針とすることで安易な運用が行われることが懸念される。
  4. 法律案要綱は厚生労働大臣は事業者又はその団体に対し、必要な指導を行うことができるものとする、としているが多くの場合、業界団体に指針を送付するだけが実際。                                                                                                                                                                                                                                                   (続く)