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法律案要綱の精査を続けます。

第六 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の一部改正

現行の労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の目的は、「この法律は、我が国における労働時間等の現状及び動向にかんがみ、労働時間等設定改善指針を策定するとともに、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するための特別の措置を講ずることにより、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」(第1条)です。

1 法律案要綱は、「労働時間等の設定」の定義(労働時間、休日数、年次有給休暇を与える時季その他の労働時間等に関する事項を定めること)に深夜業の回数及び終業から始業までの時間を追加する、としています。インターバル規制の主張に対するリップサービスですね。

2 法律案要綱は、「事業主の責務」に「健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定を講ずるように努めなければならないことを追加する。二重のリップサービスです。

3 現行の特別措置法は事業主と労働者を代表する者を構成員とする労働時間等の設定の改善を図るための委員会の設置する等労働時間等の設定の改善に必要な体勢の整備に務めなければならない、と定めています。この委員会は労働安全衛生法で設置を義務付けられている衛生委員会が一定の要件を満たす場合、衛生委員会がその機能を果たすことが出来るとしていたが、法律案要綱は「衛生委員会を労働時間設定改善委員会とみなす規定を廃止すること、としています。

4 法律案要綱は、労働時間等設定改善委員会は、①委員会の委員の半数については労働者を代表する者の推薦に基づき指名されていること、②議事録が作成され、かつ、保存されていること③厚生労働省で定める要件を満たす場合、その委員の五分の四以上の多数による議決により、代替休暇、年次有給休暇の時間単位取得及び計画的付与制度に関する事項について決議が行われた時は、当該決議はこれらの事項に関する労使協定と同様の効果を有するものとすること、としています。

注1 法律案要綱による提案を踏まえても、この法律が労働時間等の改善に資するものとは言えないでしょう。

注2 労働時間等設定改善委員会は、労働組合がない場合労使協議の機会が得られる等、一定の効果があろうが、法律案要綱は議決可能な事項を代替休暇、年次有給休暇の時間単位取得及び計画的付与制度に関する事項に限定している。(続く)