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法律案要綱の精査を続けます。

第七 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部改正(24)の続きです。

5 通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止

法律案要綱は「同視すべき」の内容をより厳密にしています。職務の内容が通常の労働者と同一であり、配置の変更の範囲が同一の範囲で変更されると見込まれるものに限定していま す。さらに「当該事業所における慣行その他の事情からみて」を付け加えることによって、様々解釈が可能となる抜け道も用意しています。解釈するのは勿論使用者です。

6 賃金 法律案要綱は、事業主は通常の労働者との均衡を考慮しつつ、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除き、短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案してその賃金を決定するよう努めるものとすること。事業主の恣意的判断は妨げられていません。「均衡を考慮し」、も「勘案して」もいかようにも解釈することが出来ます。

7 福利厚生施設 法律案要綱は通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるもの(給食施設、休憩室、更衣室)については、短時間・有期雇用労働者に対しても利用の機会を与えなければならないものとすること。ようやく、「職務の内容」「配置の変更」の縛りが無くなります。賃金は差別するが、給食施設、休憩室、更衣室は利用させてやるということです。

8 事業主が講ずる措置の内容等の説明 法律案要綱は、事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇入れた時は、不合理な待遇の禁止、差別的取扱いの禁止、賃金の通常の労働者との均衡の考慮、福利厚生施設の利用、に関して講じた措置を説明しなければならないとしています。又、事業主は短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由、並びに等不合理な待遇の禁止に関する決定をするに当たって考慮した事項にについて説明しなければならないとしています。又、説明を求めたことを理由にして不利益な取扱いをしてはならないものとする、としていますが、このような事項について質問をした労働者が採用されることは例外的と言えるでしょう。

9 指針 事業主が講ずべき指針に4~8までによる措置等を追加すること。

10 紛争の解決 紛争の解決に関する規定の対象に4についての苦情及び紛争を追加すること。

11 4~8までの他に、この法律の規定に有期雇用労働者を追加すること。

 

第九 附則

1 施行期日 平成30年4月1日 ただし雇用対策法の一部改正による施行は公布の日、中小事業主に対する1カ月について60時間を超える時間外労働に対する割増率の適用についての施行は平成34年4月1日からとすること。

2 経過措置 中小企業に対する、月60時間超の時間外労働に対する割増率の適用が廃止され25%が50%になります。早朝深夜は75%。(平成22年の法改正により、既に月60時間を超える時間外労働に対する割増率は、それまでの25%以上から50%以上に変更されていますが中小企業への適用は猶予されていました。

3 検討規定 建設業、自動車の運転業務の特例の廃止について引き続き検討するものとすること。 (続く)