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2012年に労働契約法が改正されました。重要なものは「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えた時は、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルール」です。既に5年を超えて、有期労働契約が反復更新されている事例が数多くあります。このため、多くの企業が2月末や3月末で終わりとなる有期雇用契約を更新しないことが懸念されます。特に1年契約の場合、4月1日~3月31日の契約期間が多く、労働基準法で定められた解雇予告手当さえケチローとする会社は2月末に雇止めを予告することが予想されます。

雇止めが予告されたら、急いで神奈川シティユニオンに相談して下さい。神奈川シティユニオンでは、雇止め予告前に団体交渉で無期転換を確認したケースや、予告後の団体交渉で無期転換権の行使を認めさせた例が、現在交渉中のものがあり、成果をあげています。

労働契約法改正には、2013年4月1日の施行日から通算5年という制約がありました。2018年(今年です。)3月31日でちょうど5年が経過します。5年を経過して、有期労働契約が締結されると、有期雇用労働者は定められた方法で、会社に無期雇用への転換を申し入れることが出来ます。具体的には有期労働契約が2013年4月1日から数えて、通算5年を超えていて、2018年4月1日以後の有期労働契約が締結され、4月1日以後就労すると、無期転換権が発生し、会社は労働者の申し入れを拒むことが出来ません。

有期労働契約とは、3カ月契約、6カ月契約、1年契約等、雇用期間に定めがある労働契約(雇用契約)のことを言います。パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等、職場での呼び方にかかわらず、雇用期間に定めがある人であればこのルールの対象となります。

無期転換すると、会社は、契約期間満了に伴う雇止めをすることが出来ません。所謂「正社員」を解雇する時と同じ制約があります。労働契約法第16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。

多くの会社は、有期雇用労働者を景気の拡大や縮小に備える調整のための要員として考えています。業績が順調なら有期雇用を繰り返し、何らかの理由で人員が過剰になると雇用期間満了を理由として契約を更新しない(雇止め)ことを繰り返して来ました。雇用の安定を図る目的が無期転換ルールにあります。

無期転換を嫌う会社は、5年になる前、ぎりぎりでは、今年の3月31日までに雇止めを行っています。労働基準法で30日前までの解雇予告が義務付けられていることから2月下旬には解雇予告が行われることも考えられます。

神奈川シティユニオンが加入する川崎南部労組交流会は、2月3日に「無期転換ルールを学ぶ」学習会を開催しました。講師は横浜法律事務所の井上啓弁護士。井上先生は、51歳女性のAさんの事例から具体的な問題点と対策を述べられました。Aさんは一般財団法人で、1年契約の有期雇用契約で勤めていましたが、法人は「無期雇用契約へ移行することがないよう、1年契約、最大で更新は3回」との方針であったことが後に判明したのです。2017年4月に3回目の契約更新の際には労働条件通知書には、それまで記載がなかった「更新する場合があり得る」との条項もありました。実際、14年継続勤務の非常勤職員Mさんは、無期転換が認められたのです。

しかし、7月になり、2018年4月には契約を更新しない(雇止め)が通告されました。雇止め理由書を求めましたが「1年契約、最で更新は3回」との紋切型の回答しか得られませんでした。Aさんは組合に加入団体交渉を行い、4回目の団体交渉で決裂したため、2018年1月に、東京都労働局に解決援助申請を行い、併せて労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行いました。東京都労働局から労働契約法第18条に基づく指導文書が出されました。労働契約法は2013年4月1日であり、この日から5年以上有期労働契約を結び継続して就労した場合、具体的には2018年4月1日以後の雇用契約が締結された場合、無期転換申込権が発生し、使用者はこれを拒むことができないことが第18条で定められています。東京都労働局は法人の方針が無期転換ルールを免れる目的で運用されるとすれば、第18条の規定の濫用といえ、そのような運用は厳に慎むよう求める、と指導が行われました。加えて労働契約法第19条の定めについても詳しく述べ、使用者が、無期転換権が行使された場合、それを拒むことが出来ないことを明確にしています。つまり、法人の行為は、労働契約法の規定を無視するものであり、許されないことを指導したのです。

これを受けた2018年3月8日の神奈川県労働委員会の第1回調査期日では、東京都労働局の指導を労働委員会が支持して、和解が成立しました。和解協定に基づき、4月1日に契約更新、2018年4月更新後、無期転換権を行使する予定です。

井上先生は労働契約法第18条に基づき、雇止め予告後速やかに労働組合に加入する等、アクションすることの重要性を強調されました。

いろいろなケースがありますが解雇予告されても、解雇されても諦める必要はありません。分からないことは神奈川シティユニオンへ問い合わせて下さい。